LTspiceという名前の電子回路シミュレータがある。アメリカの「リニア・テクノロジー」という会社が製作したもので、無償で配布されている。工業系の大学でも使っているらしい。
ちょっとしたきっかけで、このソフトを使うことになった。といっても、ほとんど遊びレベルなのだが。なにせ、電子工学とかゆう世界は全く無縁だ。
何かサンプルと思い、乾電池と抵抗器とLEDで点灯する回路…。作っては見たがおもしろくない。何も変化がないからおもしろくはない。
別のサンプルで、LEDの点滅というのをみつけた。トランジスタ2個と抵抗器とコンデンサ。基本の発振部はこの4つだけで、後は負荷部分にLEDだけ。これなら部品点数も少ないから簡単に入力もできる。慣れていないソフトの入力は難しい。
インターネットで見つけたLED点滅回路の入力が終わった。まずは保存。さっそく動かしてみよう。開始から3秒分のLEDの電流の動きを表示させてみる。
LEDにしてはずいぶん電流多いな…という話は別にして、説明を読む。
弛張発振回路は「ししおどし」に似ている。竹筒に水がたまっていき、あるところで一気にザバーっ。 もう少し説明を読む。
電源を入れるとコンデンサにゆっくりと充電し、ある電圧を超えたらトランジスタがONになって一気に放電する。これを繰り返す。 という趣旨の説明がある。
…。うーん。
ゆっくりとコンデンサに放電した後でトランジスタがONになるのなら、グラフの開始直後ゼロ秒でスパイクが発生しているのはおかしい。
いろいろ調べてみると、コンデンサに電解コンデンサのような極性つきタイプを使う場合、どちらの足をプラスにするかなど、結構混乱している。説明どおりなら、電解コンデンサに逆充電とか。
インターネットの質問サイトでは、この回路の動作についてはぐちゃぐちゃだ。人によって説明が全く異なる。共通しているのは、「××だと思います」という表現ではなく、「××です。」という断定形の言葉を使う。
回路は1つなのに、諸説ありすぎというのは困ったものだ。ということで電子回路を習ったこともなく本も持っていないのに、少数部品タイプの弛張発振回路についていろいろと考えてみることにした。
トランジスタのgmとか帰還ゲインとか難しいことはやらないので(わからないので)、ご覧の皆さんにもわかりやすいはずだ。
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